睡眠中の歯ぎしり(ブラキシズム)に注意!
朝起きると顎がだるかったり不快感がある。そして、歯の表面が年齢の割にすり減っていたり(咬耗)、被せ物がよくとれたりするひとは要注意です。「ブラキシズム」という病的な習癖を起こしている可能性があります。ブラキシズムとは上下の歯をすり合わせて音を出すグラインディング(歯ぎしり)や音は出さないが歯を強く噛みしめるクレンチング(噛みしめ)などの運動障害のことです。ブラキシズムは仮眠も含んだ睡眠中におきます。
人は物を噛んだり唾液などを飲み込んだりすると上下の歯が接触しますが、それは1日10分〜15分程度で非常に短いものです。普段の時は安静位といって上下の歯は常に2ミリ程度離れていて接触していないのです。しかし正常な人でも睡眠中は少なからずともブラキシズムを行っていますが、それが長時間に及び過度になってくると病的なブラキシズムとなり口腔内や周囲の筋肉、関節などに不調和を及ぼすようになるのです。
病的なブラキシズムが及ぼす影響
1)歯がすり減り歯痛がおこったり知覚過敏がおこる。
2)歯肉が退縮したり、歯が割れたり圧下されたりして歯周組織が損傷する。歯周病が悪化する。
3)被せ物がよくはずれたり、インプラントの予後を不良にさせる。
4)顎がこわばったり、疲労感、違和感が起こる。(咬筋や内側翼突筋、顎二腹筋などの閉口筋群)
5)顔面、側頭部、頸部に疼痛が起きる(側頭筋、胸鎖乳突筋など)
6)顎関節症が起こる。
7)唇、頬粘膜、舌に白い圧痕がつく。
8)睡眠障害を起こす。
9)咬筋(顎角部)が肥大し顔貌が変化する(ホームベース状の輪郭)
10)歯槽骨の外骨症(膨隆)が発症する。
11)強度な肩こり
12)情動ストレスを起こす。
睡眠中になぜブラキシズムが起こるかと言うことは現時点ではまだ解明されておらず、病的なレベルに増大させる原因としては精神的ストレスや噛み合わせ(咬合)が論議されています。そのメカニズムが解明されていないので治療法は対症療法となります。中でも寝るときに歯にスプリントを装着する「スプリント療法」が歯ぎしりなどを軽減させることがわかっています。自分自身で日常から噛み合わせないように
暗示させる「自己暗示療法」や安定剤などを用いる「薬物療法」なども治療法の1つとして行われます。
当院非常勤Drの小野先生は昭和大学の補綴科でこの「ブラキシズム」の研究をしています。今年の4月から南カリフォルニア大学(USC)に「ブラキシズム」の研究のために渡米します。頑張ってきて欲しいものです。
